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紙袋コラム記事
皆様は『PP加工』という言葉を聞いたことはありますか?
レレカで取り扱っている紙袋をはじめ、ポスターなどの紙をベースにした印刷物を制作する際に重要になってくる『オプション』なのですが、あまりそういった機会がない方には初めて聞く言葉かもしれません。
レレカにおいても初めてオリジナルの紙袋をつくるといった方にとっては、聞いたことがないという方がほとんどです。
PP加工というのは、ポリプロピレン加工を略した呼び名です。PP貼りとも呼ばれます。
紙袋などの印刷用紙の表面をコーティングするラミネート加工の1種で、用紙に通常の印刷後、これに接着剤を塗って上からPPフィルムという薄い透明のフィルムを熱によって圧着させる方法で行われます。
主に印刷面を守るためのコーティングとして用いられる加工方法です。
実はこのPP加工、コーティングとしての役割はもちろん、印刷物の出来栄えにも大きく関わってくる要素なのです。
今回はそんなPP加工の特徴と種類などをご紹介しようと思いますので、ぜひ制作物をご検討の際に役立ててください。
コート紙で紙袋を作る場合には必ずと言っていいほど、PP加工が施されています。
そもそもどうしてPP加工が必要なのか。それは大きく分けて2つ理由があります。
などがPP加工をしていない場合に生じる問題です。
①に関してはイメージしやすいかと思いますが、例えば雨などで紙が濡れてしまう状況において、コーティングをなにも施していないとインクが滲んでせっかくのデザインが崩れてしまうこともあります。
また乾いた状態であったとしても強くこするとインクが剥げてしまいます。
紙袋の場合は携帯することが多い関係上、状況によっては衣服にインクがついてしまう可能性もあるのです。
もちろん、かなりレアケースではあるのでシンプルなワンポイント程度の印刷ならばコーティングを行わないこともあります。
ですが、ベタ塗りなどの印刷範囲が多い場合や4色フルカラーの場合など、インクを多用したデザインであれば、PP加工などでコーティングすることをお勧めします。
②に関してはあまり知られていない理由なのですが、特にコート紙ではこちらの理由でPP加工がほぼ必須とされています。
コート紙を使用する場合、多くの方が「しっかりした紙」という印象を持たれていますが、実はコーティングを施していない状態のコート紙は非常に弱い紙なのです。
もちろんコート紙以外でも補強効果はあるので、強度の必要そうな案件ではPP加工をお勧めする場合もあります。
これらの理由から紙への印刷をする際にPP加工がよく用いられています。
以前、紙袋の耐久性について実験したコラムもありますのでそちらを参考にしてみてください。詳しくはこちら
PP加工と言っても、実は圧着するPPフィルムの種類によってさまざまな種類が存在しています。
ホログラムPPやエンボスPPなどの特殊なPPフィルムもあります。
その中でもとくに広く扱われているのが「グロスPP加工」と「マットPP加工」の2種類です。
フォトイメージやカラフルなデザインを印刷する場合におすすめです。紙袋でいうとアパレルや化粧品(特に若者向けブランド)などのショッパーとして使われていることが多いです。
また、展示会で配布しているような企業配布の紙袋もグロスPP加工の施された紙袋が多いです。
表面に強い艶感が出るため、デザインに存在感がプラスされるような印象を受けるため、これらの用途に用いられることが多いです。
こちらも高級感を感じる仕上がりになりますが、派手さはなく、むしろ「品がある」という意味合いの上質感を演出したいときに人気の表面加工です。
こちらもアパレルなどで用いられていますが、グロスPP加工よりも対象年齢が幅広いブランドで用いられる傾向があります。
また、結婚式場の引き出物袋でもよく利用されています。
控えめながら上質感があるので幅広い年齢層に好印象を与えることができることがマットPP加工の強みです。
印刷面を守り、強度を上げるだけでなく、高級感もプラスしてくれるPP加工ですが、取り入れるにあたって注意すべき点ももちろんあります。
それはPP加工による色濃度の変化です。
モニタで見るデザインの色は常に仕上がりの色と一致しないので、PPフィルムを貼る貼らないで色の見え方が多少違います。
(ちなみにグロスPPだとより鮮やかに、マットPPだと少し沈んだ感じに仕上がることが多いです)
ですので、いざ印刷してPPを上から重ねた時に「イメージと少し違った」という事態も考えられます。こればかりは作ってみるまでわからないので、可能であれば色校正を行うことをお勧めします。
とはいえ予算の関係で色校正は難しいという方もいらっしゃるかと思います。
そういった方は、印刷されるデザインの内容をベースに選ばれることをお勧めします。
あくまで目安ですが、
という風に分類できます。
ただ、どちらも見栄えが悪くなるようなものではなく、どちらかといえば「より高級感や質感がでる」というプラスの要素です。
ご制作の際にはいい意味で悩んで頂ければと思います。