オフセット印刷はどのようにして誕生したのか

オフセット印刷は油性顔料インクを使った印刷方法の一つです。
1850年頃のイギリスで誕生し、1900年に入る頃には大量印刷が可能な印刷機が発明されたことで世界的に普及しました。
その後、1950年頃には印刷機の性能が大きく向上し、日々改良を続けながら現在も紙への印刷を支え続けています。
オフセット印刷の原理は? ほかの印刷と何が違うの?
オフセット印刷の仕組みには、大きく3つの特徴があります。
ここからは、それぞれについて説明をしていきます。
平版を使っている
オフセット印刷を始めとする多くの印刷には「版」と呼ばれるものが必ずあります。
判子のようなもので、そこに顔料インクを塗って転写します。
さて、版にはいくつか種類があります。
まず、判子のように印刷したい部分だけが盛り上がっている「凸版」。

反対に印刷したい部分だけ凹んでいる「凹版」。

最後に、ここで紹介しているオフセットに使われている、凹凸がほとんどない「平板」です。

では、なぜ凹凸のない平らな版で印刷ができるのでしょうか?
それは、版に水が染み込みやすい箇所と油(インク)が染み込みやすい箇所を作り、それぞれが反発する力を使って印刷をします。
ブランケットを経由して印刷を行う
オフセット印刷は凸版などと異なり、対象となる紙などに版を押し付けません。
水とインクを付けたあと、一度ブランケットとというものに写し、それを転写をしていきます。

つまり、版に付いたインクをブランケットに転写(Off)し、ブランケットから紙に転写(Set)するという工程をたどるため『オフセット印刷』という名前がついているのだとか。
版が直接触れないため、ほかの印刷方法と比べて摩耗が少なく、鮮やかに印刷することができます。
枚葉機と輪転機の2種類がある
オフセット印刷機は、大きく分けると「枚葉機」と「輪転機」に分けることができます。
枚葉機とは、一枚ずつ印刷する機械で、いろいろな大きさの紙に印刷することができます。

一方で、輪転機はロール状に巻かれた紙に印刷をします。

多くの印刷物を刷るのであれば、コストを抑えることができます。
そのため、紙袋や雑誌、新聞といった印刷物にはこちらが使われています。