紙袋コラム記事
【CMYK・RGB・PANTONE等】ティファニーブルー近似色の一覧はこちら >
ブルーボックスなどに使われているティファニーブルー(Tiffany Blue)のPANTONEの番号は「1837」ですが、この番号はTiffanyにより特注され、保護された特別な色番号です。
一般的には非公開であり、「欠番」と把握しておきましょう!
まず、結論から言うと、
このティファニーブルーのPANTONEの番号は、印刷色としては使用できません!
特に、「PANTONE 1837 Cで印刷をしたい。」という注文はできません。
「ティファニーブルーで印刷してください」という事もできません。
理由は単純です。
一般利用できる色としては、「PANTONE 1837 C」という色は存在しないからです!
※「PANTONE 1837 U」など、Uncoated Paper(上質紙)用の色や、プラスティック、布製品向けの色についても、「PANTONE 1837~」は、一般向けに公開されていません。
インターネットを検索すると、下記の情報が出てきます。(※この画像は単なるイメージです。)
「PANTONE 1837 Blue Tiffany」
※Google画像検索では、ティファニーブルーのカラーチップのような画像まで存在します。
この「PANTONE 1837 Blue Tiffany」とは、何なのでしょうか?
これは、Tiffany(ティファニー)やPANTONEの内部の方の、どちらとも無関係な誰かがイメージ図として作った画像……
そういったものが出回っている可能性があります。
この番号は本来、一般公開されていません。
基本的には、ティファニーブルーのカラーチップは、TiffanyやPANTONEの関係者だけが持っている情報なのです。
PANTONEの色見本には存在しませんが、念の為に、PANTONEの公式サイトで番号「PANTONE 1837」を検索してみました。
確かに、(一般向けには)存在しない色となっています。
実質、一般公開向けの情報としては「欠番」になっているのです。
なお、Tiffanyが1837年に創業したことから、「PANTONE 1837」との番号が付けられている*そうです。
(*公式情報あり / ※内容は英語のため、下記に翻訳しています。)
さらに、Tiffanyはこの色彩を欧米を含む様々な地域で、商標登録の上、PANTONEと特別な契約をしています。
ということは……
「PANTONE 1837 Tiffany Blue」を使えるのは、世界でティファニーだけなのです。
CMYKやPANTONEでのティファニーブルー(Tiffany Blue)の近似色は、下記の2つの候補あたりがどうやら近いようです。
ティファニーブルー 近似色の候補1 |
ティファニーブルー 近似色の候補2 |
|
---|---|---|
PANTONE Solid Chips Coated (印刷色 / 特色 / コート紙) |
PANTONE 7471 C *1 | PANTONE 319 C *1 |
PANTONE Solid Chips Uncoated (印刷色 / 特色 / 上質紙) |
PANTONE 7471 U *2 | PANTONE 319 U |
DIC(印刷色 / 特色) | DIC 16 | DIC 2152 |
CMYK(印刷色 / 4色フルカラー) | 37 / 0 / 17 / 0 *3 | 59 / 0 / 22 / 0 *3 |
RGB(主にディスプレイ用カラー) | 129 / 216 / 208 | 45 / 204 / 211 |
HEX(主にディスプレイ用カラー) | #81D8D0 | #2DCCD3 |
*1 マットPPやグロスPPなどの表面加工をすると、色はカラーチップの色よりほんの少し、こっくりと濃くなる場合があります。
*2 数値だけ見ると、「PANTONE 324 U」が近似色ですが、視覚的な雰囲気やCoatedとの近似性も含め「PANTONE 7471 U」としています。
*3 CMYKでの印刷は、ベタの面積が広いと、色ムラがでる場合があります。
さて、PANTONEの英語のサイトに面白いインタビューページ(Pantone Color Institute [パントンカラー研究所]/公式サイト)があります。
ここでは、「象徴的なブランドカラーの背景(意訳)」と題して、ティファニーにPANTONEカラー研究所の副社長が、ティファニーブルーについてインタビューしています。
このティファニーブルーについての部分を翻訳(意訳)してみました。
色そのものが人間に与える感情を考え尽くしているハイブランド「Tiffany」の考え方や、色の管理で世界的に巨大なシェアを誇るPANTONE社の対談です。
「色」について、「伝統」と「流行」の両面のプロフェッショナルであるお二人が話している内容は必見です!
ちなみに、この対話をしたPANTONEカラー研究所の副社長は、「人生の物語として色を見ている」そうで、何十年も色と流行についての研究をし続けているそうです。
ティファニーブルーも物語があってこその色なので、よほど話も伝わり合う方々なのでしょう。
ティファニーブルー(Tiffany Blue)は、アメリカでは商標登録(米国商標登録第2416795号)されています。
更に、ロゴマークや立体物には商標登録がされています。
例えば、「Tiffany」のフォントを少し変えたり、セリフ体をサンセリフ体に変えたりしても、それも商標登録がされています。もちろん、商用利用不可ということです。
要するに、ガチガチに権利の保護がされているのです。
詳しくは、特許庁のサイト内、J-Plat Patから検索できます。
例えば、ティファニーの紙袋などの袋には、「立体商標」がされており、似ている場合はトラブルになる可能性があります。
ティファニー(Tiffany)紙袋の立体商標の例(国際登録1208903/特許庁)
そもそも、色や形、文字など、模倣したデザインは、著作権侵害に接触する可能性があります。ご注意ください!
本コラムで取り上げたように、欧米ではかねてから色の著作権が認められております。
判例もたくさんあり、判定方法も紆余曲折を経て、実績が出ているそうです。
(参考例:色彩のみからなる商標/日本弁理士会)
その点、日本は著作権についての整備はやや後手になっていて、「色彩のみからなる商標登録」は、2015年4月より特許庁が出願受付を開始しました。
ちなみに、日本で最初に色の商標登録は……
の2件だったそうです。
その後、三井住友銀行の色と、続々と色の商標登録がされています。