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レレカで主に取り扱っている紙袋の素材は、「コート紙」「晒クラフト紙」「未晒クラフト紙(茶色クラフト紙)」の3種類です。
この3種類から選んでいただき、紙袋を製作していくのですが、用途やデザインに合わせて表面に加工を施すこともあります。
紙と加工の組み合わせが変わることによって、それぞれちがう印象になります。
また、選ぶ紙の種類によっては対応できない加工もあります。
今回は紙の表面加工の種類や、特徴を紹介します。
表面加工を施すことによって、水に弱い紙がどのように変化するのか?
傷の付き方の違いはあるのか?といった点も比較してみました。
まずは、レレカの紙袋の素材で一番人気のある「コート紙」です。
ポスターやカレンダーなどに使われている紙です。
コート紙は表面加工なしでは紙袋として使用できません。
厚みがあり、見た目は丈夫に見えますが、実は耐久性がありません。
そのため、PP加工を表面に施す必要があります。
PP加工とは、ポリプロピレンでできた薄い透明なフィルムを紙の表面に熱で圧着する加工です。
レレカで紙袋を製作する場合は、グロスPP加工かマットPP加工のどちらかの表面加工をすすめています。
まずは、グロスPP加工を施した場合をご紹介します。
コート紙のグロスPP加工はツヤがあり、きれいな見栄えになるのが特徴です。
場合によっては、印刷の色がイメージより濃くなったように見えるため注意も必要です。
【表面の耐久性】
PPフィルムを貼っているため、擦れよるキズや汚れが付きにくくなります。
完全に防ぐことはできませんが、キズが付いてもあまり目立ちません。
【表面の耐水性】
紙の表面にPPフィルムを貼っているので撥水性があります。
少量の水であれば、浸み込むことはなく、はじいてくれます。
次にご紹介するのは、コート紙のマットPP加工です。
グロスPP加工のようなツヤのある光沢ではなく、しっとしとしたツヤなし加工です。
落ち着いた印象になるため、高級感を出したい場合に◎。
【表面の耐久性】
マットPP加工は、凸凹の付いたフィルムを貼る加工のため、表面が擦れるとスジができてしまいます。
このスジについては、印刷する色によって目立ち方がちがいます。
色が白や薄い色は、傷がついても比較的目立ちにくい印象です。
一方で、黒や濃い色はかなり目立ちます。
【表面の耐水性】
こちらもPPフィルムを貼っているので撥水性があります。
お次は、晒クラフト・未晒クラフトのご紹介です。
こちらの2種類は、紙の材質自体は変わらないため、まとめて紹介します。
未晒クラフト紙は別名「茶色クラフト紙」とも呼ばれています。
紙を作る際に漂白をしていないため、原料の色のまま。素朴な風合いとナチュラルな雰囲気が魅力の紙です。
そして、未晒クラフトを白色になるまで漂白したものが、晒クラフト紙です。
紙は晒を施すごとに少しずつ弱くなっていくため、強度は未晒クラフトに劣ります。
とはいえ、紙袋の素材にできるほど十分な強度があります。
未晒クラフト・晒クラフトは紙そのものに強度があるため、表面加工なしでも袋として使用できます。
また、自然な感じを活かしたいなら加工をせずに製作することをおすすめしています。
【表面の耐久性】
強くこすれば傷がつきますが、先にご紹介したコート紙に比べると目立ちません。
ただし、ベタ塗りで印刷をしている場合は、摩擦などにより色が色落ちしてしまう恐れがあるため、ベタ塗りをしている場合は念のため表面加工をしておいた方がよいでしょう。
【表面の耐水性】
表面に加工を施していない状態だと、水は浸み込み、すぐに紙がよれてしまいます。
未晒クラフト・晒クラフト紙はニス引きをすることができます。
ニス引きとは、透明の樹脂液体を塗る加工です。
施すことで印刷の色落ちや表面の傷を防いでくれます。
そのため、ベタ塗りが多い場合は、極力ニス引きをしていただくようご案内をしています。
「ニス」と聞くと表面にテカリが出る印象を受ける方も多いかもしれませんが、紙専用のニスのため光沢はありません。
クラフト紙の風合いを損ねずにできる表面加工です。
【表面の耐久性】
キズはあまり目立ちません。
【表面の耐水性】
水をかけると最初は少し水をはじきました。
しかし、PP加工ほど撥水性はなく、しばらくするとよれてしまいました。
晒クラフト紙にもグロスPP加工を施すことができます。
宅配袋を製作されるお客さまに人気の仕様です。
グロスPP加工のツヤが勝り、晒クラフト紙の風合いは残りません。
ただ、晒クラフト紙はコート紙よりもリーズナブルなため、製作コストを抑えることができます。
【表面の耐久性】
コート紙の場合と同様に、キズが目立ちません。
【表面の耐水性】
そして、少量の水なら浸み込むことなく、はじきます。
マットPP加工を晒クラフト紙に施すこともできます。
もともとザラっとした風合いの晒クラフトにマットPP加工をすると、なめらかな手触りになります。
ニス引きとは違った、独特な質感です。
【表面の耐久性】
コート紙で試したのと同様に、薄い印刷色ならキズはあまり目立ちませんが、濃い色だと…。
【表面の耐水性】
もちろん、はじきます。
今回は紙の表面加工について紹介しました。
紙材の種類はそれほど多くないですが、表面加工によりバリエーションが一気に増えます。
耐水性や傷について紹介してきましたが、表面加工を施していてもあくまで素材は紙のため、たくさんの水や強い衝撃には耐えられません。
今回の実験でご紹介した内容も、力加減や水の量により結果が変わることもあります。
そういったことを踏まえたうえで、デザインや用途と照らし合わせて素材を選んでいただければと思います。
また、レレカではこういった素材の選定のご相談も承っておりますので、気になられた方はぜひお気軽にご相談ください。